こんにちは。リベルタ(@liberta0101)です。
僕は電気工事の仕事に20年以上従事しています。
電気工事は建設業のひとつに分類されており、一般的には住宅の照明を取り付けたり、コンセントを取り付ける作業をイメージしますよね。
どんな会社も入社前の理想と入社後の現実にギャップがあるものです。
今回は、僕が駆け出しの電気工事士の頃に経験したブラック企業の内容をお伝えしますので、建設業の過去の遺産をみることができます。
物理学者のアインシュタインも言っています。
「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望をもつ」
過去を知ってから転職活動をすれば、電気工事士をはじめとした建設業界の面接で、拘束時間や残業手当の話を切り出すこともできるようになりますよ。
では、この記事を読む4分間だけ、20年前にタイムスリップしてみましょう。

執筆者プロフィール / 電気工事士デポ-未経験者からの電気工事のはじめ方
ハローワークに常連の会社は注意が必要

今回の話は僕が駆け出しの電気工事士の頃、20年以上も前の話になります。
ハローワークに紹介されて入社したのですが、この会社は本当に最悪の会社でした。
19歳から21歳までの3年間勤務しましたが、とにかく社員の扱いが乱暴だったために常に人が入れ替わっており、社長の方針に改善の意思すらありません。
その時の求人数にもよりますが、ハローワークに常に求人が掲載されている会社は、求職者に人気がないから常に応募している可能性があるので注意が必要です。
今回の会社に限ったことではありませんが、昔の建設業では社長のことを「親方」や「親父」と呼ぶことが好まれる傾向にあり、僕は社長のことを「親方(おやかた)」と読んでいました。
夕方からは別の現場に直行
僕の勤務していた会社では、昼間の仕事が終わってからも気が抜けません。
現場での仕事がおわり車の運転をはじめると、親方からは会社とは違う方向に車を誘導されることがしばしばありました。
僕が行き先を聞くと「考えているから黙っていろ!お前は俺の言う通りに運転をすればいいんだ」と言われ、納得ができないまま運転をしていました。
これから向かう場所の指示がないのですから、実際の現場でも仕事を教えてくれるはずもありません。
「仕事は見て覚えろ」と言われるのは当然ですが、同じ現場内の数百メートル離れた場所にいても「同じ現場にいたなら、やっていることを理解していて当然だ」と言ってきます。
当時の僕も親方に一言申し上げました。
「俺はエスパーじゃねぇ」と。
夕方から現場に入り、どこまで仕事をやるのかも聞かされずに朝まで仕事をさせられることも当たり前のようにあったため、僕は給料が安いのにアルバイトをすることもままならない状況でした。
昼食を食べていると怒られる
仕事が一人前でも見習いでもお腹は減るものです。
午前中の仕事が終わってお昼ごはんの時間。僕も他の人と食べていると「お前は仕事ができないクセにメシは食うんだな」と毎日言われました。
仕事ができないことと、昼食を食べることは別の話ですよね。
最初は冗談だと思っていましたが、毎日言われ続けると、19歳の僕は「メシを食うのが悪いことなのか?」と考え始めます。
それからは、5分から10分で昼食を済ませて、ひとりで現場に行って仕事をするのが当たり前になっていきました。
お昼休みに一人でケーブルを敷設したり、材料の組み立てをしていると、お昼休みから帰ってきた親方に「これだけしか進んでないのかバカ!お前は仕事が遅くて困る!」と罵られることも日常茶飯事。
現在の労働基準法では「6時間を超えて就業させる場合は45分以上、8時間を超えて就業させる場合は1時間以上の休憩を与えること」が義務付けられています。
この法律は20年前もあったはずです。
建設業は労働基準法の他に安全衛生法や建設業法に関係してきますが、会社の屋号を掲げていても、最低限の法律を理解しようとしていなかったのです。
領収書を踏み倒す
この会社では駐車場の支払いや有料道路の支払いは僕が先払いをしていました。
そもそも初めから助手席の親方がお金を出してくれればいいんですけどね。
支払いを終えたあとに「親分、仮払いの分の精算をお願いします」と言うと
「あ???なんでこんな忙しいときに精算するんだ!バカ!」と言われ、領収書を受け取ってもらえません。
しかし、まだ受け取ってもらえない時は良かったのです。
少ない給料の中から費用を立て替え、1ヶ月分をまとめて渡して1週間が経過した時のことです。
「領収書なんて俺は受け取ってない」
でました。
受け取ってないですと?そもそもその場で親方が払ってくれれば良いものを僕が立て替えているのに?
事務所のコピー機も使わせてくれませんし、当時の携帯電話はガラケーで写真も撮影できません。
僕は「基本的には親方が払ってください。僕が払った場合はその日のうちに精算してくれないと、今後は立て替えません」
と言って、手帳に立て替えと支払いの記録をとるようになりました。
この僕のブラック企業の体験記は、詳しくnoteにもまとめているよ♪
ぜひこちらも見てね!
すぐに転職しなかった後悔

僕は例に挙げたブラック企業に3年間勤務しました。
3年間も在籍した理由は、転職を失敗したことによって「次も失敗したらどうしよう」と考えてしまったからです。
転職活動の際は慎重に会社を選んだつもりでいました。
ハローワークで長い時間を待たされ「おすすめ」として提案された会社のうちの1社に転職した結果がブラック企業。
「また転職して、もっと酷い会社に行ったらどうしよう」と考えてしまい、なかなか行動に移せなかったのです。
今から考えれば、もっと早く転職エージェントの存在を知っていればこんなことにはならなかったと後悔しています。
僕はその後、何度も転職活動を行ってきましたが、ハローワークの求人で転職先を決めたのは例に出したブラック企業1社だけです。
自分で応募先の企業を分析できれば良いのですが、基本的にハローワークだけを過信して転職活動はしないようにしましょう。
電気工事の夜のお仕事

僕の勤務したブラック企業に関わらず、仕事では休日出勤や交代制、夜間作業がある場合があります。
特に電気工事では「他の人が電気を使っていないときに作業する」ことが一般的になっており、下記のようなケースで夜間作業が発生します。
- 工場の生産設備に急な不具合がおきた場合
- ショッピングモールの電気設備を取り替える場合
- テナントビルの増改築工事
工場の生産設備に不具合がおきている場合は、稼働できないと生産に関わるので緊急対応が必要になりますし、ショッピングモールやテナントビルではお客様のお店が閉店してからの作業になります。
みなさんが当たり前のように使う電気。
そこには、休日や夜間を返上で働いている電気工事士の血と汗が滲んでいるのです。
さらばブラック企業

時代は令和になってもブラック企業はいまだに存在します。
20年前の経験談をお伝えしましたが、今回のようなブラック企業をなるべく避けるポイントは、企業規模の大きな会社に応募をすることです。
その理由は社会から求められている時代背景にあります。
現在では、社会の一員としてサービス残業やパワハラは許されない時代になっています。
企業規模が大きくなれば、コンプライアンス違反に対する社内の監視や世間からの目が厳しく、社内規定にも一定の根拠が必要になりますし、残業時間の制限を筆頭に働き方改革を進めている会社がほとんどだからです。
今は建設業でも1週間に2日間のお休みをしっかり取れる会社があります。
建設業は人手不足ですから、転職を検討している応募者の方も「会社側を評価する姿勢」で臨むことがおすすめです。
建設業に興味のある方は、まずは業界に詳しい転職エージェントに相談してはいかがでしょうか。
転職の経験はだれもが少ないので、プロに頼るのが得策です。
上手に活用して、ブラック企業の沼にはまらないようにしましょう。
この記事を書いた人:リベルタ(@liberta0101)さん

リベルタさんありがとうございました!
リベルタさんのブログは要チェケラッチョ!!!